『続』kernel power41 病<原因特定編>

『続』kernel power41 病<原因特定編>

以前書いた記事「Kernel Power41病 原因は高速スタートアップだった」が、思いのほかアクセスを集めているようで、皆さまのご心労お察しします。さて、前回のPCのkernel power41病 は記事の通り、Windows高速スタートアップを無効にすることで完治して、今日まで頑張ってくれていました。しかし、あれから、2年9ヶ月たった、今年の9月に突如として再び、kernel power41病を発症したのでその報告をいたします。まるで、完治してたかのように見えた病が再発したような気分です。しかも、今回は結構重症で、最終的に電源を交換することになってしまった。そんなお話です。私が kernel power41 の原因をあぶり出し、電源の故障であると断定するまでの経緯をや、電源交換の方法などを書いておくので、kernel power41病で闘病中の方は参考にしてみてください。

作業をしていると前触れなく電源が切れて再起動

いつも通り作業をしていると、前触れなく停電したかのように電源が落ちて再起動を繰り返すようになりました。例の如く、イベントビュアーで「kernel pawer41」が発生してる時刻の直前のエラーログを調べて、その原因となっている可能性の高いエラーを探ります。前回は、直前に“Windows高速スタートアップエラー”が記録されていて、これが原因であると特定できました。しかし、今回はそれらしいエラーが見つかりません。

Windows10の「システムの復元」と「回復オプション

Windows10には、PCで原因不明のシステムエラーが発生したときに手っ取り早く、エラーを修復できる機能が主に2つ標準で搭載されています。それが、「システムの復元」と「PCを初期状態に戻す」です。

  • システムの復元

アプリや更新プログラムをインストールしてかPCが不調になった場合などに、システムの復元ポイントから、PCを以前の状態に戻すことができる機能です。つまり、不具合の原因になっていそうな、アプリや更新プログラムをインストールする前の状態に戻して様子を見るという方法です。
「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「バックアップと復元」もしくは、画面左下にある検索に「復元ポイントの作成」と入力し、「復元ポイントの作成」をクリックすると、任意の日時の復元ポイントで「システムの復元」を実行できます。

  • PCを初期状態に戻す

これは、いわゆるPCの初期化です。初期化といっても、PCに保存している写真や音楽、ドキュメントなどの個人用ファイルなどは失うことなく、保持した状態で、Windowsを再インストールできるという機能です。個人用ファイルを保持するか、消去するかは、「PCを初期状態に戻す」を実行する前に選択する事ができます。

一方、この「PCを初期状態に戻す」によって失うのは、PCにインストールしてあるソフト全般です。WordやExcelなどのOffice、iTunesやEvernote、Nortonなどのセキュリティソフト、これら全てが削除されます。また、プリンターのドライバーやグラフィックボードのドライバーなども全て削除されます。したがって、「PCを初期状態に戻す」を実行後、これらのソフトを再インストールする必要があります。

そう言われると、大変だから実行したくないと思われるかもしれませんが、最近は、OfficeやNortonなどのソフトはライセンス契約をしている人も多いと思いますし、iTunesやEvernoteなどもインターネットからすぐにダウンロードしてインストールできます。ドライバー類もよほど古い製品でなければ、メーカーホームページからダウンロードできます。一昔前みたいに、CD-ROMを読み込んで、プロダクトキーを入力して再インストールするといったような、手間のかかる作業をする必要がないので、昔ほど身構えることなくPCの初期化を実行できるようになりました。

画面右下のWindowsマークを右クリックして、「設定」をクリック、「このPCを初期状態に戻す」から実行できます。

「システムの復元」と「PCを初期状態に戻す」について、詳しく解説してある記事をリンクしておきます。

Windows10 – システムの復元 – 以前の復元ポイントの状態に戻す

Windows10 – PCを初期状態に戻す(リカバリー)

「PCを初期状態に戻す」を実行

私は、kernel power41が発生する少し前にWindows更新プログラムのインストールや、Androidアプリを製作するアプリである「Android studio」をインストールして、PCの仮想環境を構築する設定を少し変更していたので、これに伴うエラーを疑いました。

「システムの復元」と「PCを初期状態に戻す」どちらでも良かったのですが、不具合を解決できる可能性が高いのは「PCを初期状態に戻す」です。全てのソフトをアンインストールして、Windowsをインストールし直すわけですからね。必要なソフトを再インストールして、ソフトの設定をやり直さなければいけないので手間はかかりますが、私の場合は、これを気にインストールしているソフトを整理しておきたいという思惑もあり、「PCを初期状態状態に戻す」を実行することにしました。これで、綺麗さっぱりです。

しかし、処理を実行中「このPCを初期状態に戻しています」の画面で、容赦無く電源が落ち、再起動して初期化作業にすら失敗してしまいました。

この、初期化の途中に電源が落ちるというのは結構深刻な状況です。場合によっては、完全にPCがぶっ壊れて、起動しなくなる可能性もあります。この時点で、最悪の場合、数日以内にPCが使えなくなる事態も想定して、手持ちのMacbookでも、日常の作業を滞りなく進めることができるように準備をしながら様子をみることにしました。

そうしていると、不具合の原因を特定する決定的な現状が発生したのです。

起動→BIOSもWindowsも読み込む前に再起動→ファンだけ回る

PCを起動していると、アイドル状態でも電源が落ちて、再起動がかかるという現象が何度も起きていたのですが、ついに、再起動後、BIOSもWindowsも読み込まるれることなく、再び電源が落ちた後、PCファンだけが全速力回転し続けるとう状況に陥りました。画面も当然真っ暗です。電源ボタンを長押ししても停止ぜす、ついにご臨終かと、延命装置を外すような気持ちでプラグを抜いたの抜いたのですが、実はこの現象に、不具合の原因を特定するヒントが隠されていました。

以下は、PCの電源を投入して、Windowsのログイン画面が表示されるまでのプロセスを、簡単な図にしたものです。

このように、電源を投入すると、各部品に電気が流れ、マザーボード、CPUが起動して、BIOSが呼び出されます。

つまり、BIOSが起動する前に、電源が落ちるということは、ソフトウェアのトラブルではなく、電源、マザーボード、CPUなどハードウェアが物理的にトラブルを起こしている可能性が極めて高いとうことです。ハードウェアの呼称であっても、BIOSが起動すれば、ビープ音がなるはずですが、今回はそれもありませんでした。

電源は、PCを構成する主要なハードウェア(電源、マザーボード、CPU、メモリ、SSD/HDD)のうち、もっとも寿命が短い部品だそうで、電源は消耗品といわれることもあります。また、買い換える場合、マザーボードやCPUなどに比べ、値段が安く、ハードウェアの故障を疑うなら、まず電源を疑って交換すると、修復できる可能性が高く、尚且つ、原因が他にあったとしても、金銭的損失を抑えることができます。

ということで、電源の交換を試みることにしました。

『続』kernel power41 病<電源交換編>