第48回 気象予報士試験 実技 <解答&反省会> 実技2問2

第48回 気象予報士試験 実技 <解答&反省会> 実技2問2

実技2問2

問題文(1)[1]
図4(上)に記⼊されている500hPa ⾯のトラフT は、48時間後には図9(上)に⽰す位置まで進むと予想される。このトラフT について、以下の問いに答えよ。
[1]解答図に、トラフT の初期時刻の位置と48 時間後の予想位置が記⼊されている。これにならい、12 時間後から36 時間後まで12 時間ごとのトラフTの予想位置を、⽇時を付して実線で記⼊せよ。

 
500hPa天気図を参考にトラフを追いかける問題です。私、トラフの解析は苦手なんですよね。。。

取り敢えず、初期時刻と48時間後のトラフが記入されているのでこれを参考に、前後の時間で付近のトラフを探していきます。等高線がトラフらしい形状になっているところを線で結んでみました。36時間後がわかりにくかったですが、前後の時間のトラフからの距離がほぼ等間隔になるように意識しながら、それらしいところに書いて、解答としました。

解答例はこちら

どうでしょう。2時間後(9日21時)が少しズレていたようです。どう採点されるでしょうか。

問題文(1)[2]
[2]500hPa ⾯で初期時刻から48 時間後にかけて予想されるトラフT の深さと移動⽅向の変化を25 字程度で述べよ。

 
移動方向は南東、正渦度が大きくなってトラフは深まっているので25字でこう書きました。
トラフは深まりながら、南東に移動する。(18字)
そのままです。

解答例は
深まりながら,南⻄進したのち南東へ移動する。(22字)
た、確かに厳密に言えば、序盤は南西に移動している、、、“南西進”は“南下”でも大丈夫みたいです。まさか、そこまで細かくみないといけないとは思っていませんでした。

問題文(3)[1]
初期時刻に北海道付近にある低気圧に伴う前線(問1(4)で考察)のその後の推移について、以下の問いに答えよ。
[1]地上の前線が10⽇9時と11⽇9時において東経140°線と交差する緯度を、いずれも1°刻みで答えよ。

 
再び問1で考察した寒冷前線に関する問題です。寒冷前線の移動について問いているのですが、前線解析に最も有効な相当温位図がないので、次に参考になりそうな850hPaの等温線集中帯を追いかけます。

私は、24時間後(10日9時)を、北緯[38]°と答えたのですが、解答例は、北緯[37]°でした。48時間後の、北緯[33]°は正解していました。
それにしても、このサイズの天気図で1°刻みの解答を求められるのは、結構シビアな問題です。

問題文(2)[2]
東経140°における地上の前線の南下の速さを,10⽇9時までの前24時間と11⽇9時までの前24時間について、いずれも1ノット刻みで答えよ。

 
初期時刻(9日9時)の寒冷前線の位置は、問1より北緯40°で東経140°線と交差しています。このことから、10日9時までの24時間に3°、11日9時までの24時間に4°前線が南下していることになります。これを元に、移動速度を計算して求めます。
1ノットは、1時間に1海里、すなわち1/60°緯度を進む速度になります。これより、

10日9時までの24時間
3×60/24時間=7.5ノット

11日9時までの24時間
4×60/24時間=10ノット

となります。10日9時までの24時間は、四捨五入すると8ノットとなりますが、解答例は、10日9時までの24時間[]ノット、11日9時までの24時間[10]ノットでした。
ちなみに私は、前線の位置がズレていたので、芋づる式にこの問題も失っていまいました。これは痛い。

問題文(2)[3]
初期時刻に本州の南海上にある前線(問1(3)で考察)のその後の推移について、以下の
問いに答えよ。
[1]48時間後に予想されるこの前線の東経130°、140°および150°における位置と、その初期時刻の位置を⽐較した下表の空欄(a)〜(d)に⼊る整数値を答えよ。

東経130° 東経140° 東経150°
初期時刻の経度 北緯28° 北緯(a)° 北緯(b)°
 48時間後の経度 北緯25° 北緯(c)° 北緯(d)°

 
次は、本州の南海上にある前線に関する問題です。

初期時刻の前線は、地上天気図に記載されているので、これを参考に解答します。48時間後の前線は、地上天気図48時間後予想図の、気圧の谷を参考に前線を描写して、解答します。気圧の谷がかなり明瞭なので、解析はしやすいと思います。

解答例は
初期時刻 東経140°;[28]° 東経150°;[31]°
48時間後 東経140°;[27]° 東経150°;[31]°
でした。
私は、初期時刻の東経140°を[27]°、48時間後の東経150°を[32]°と読んだのですが、緯度1°の読み取りミスも容赦なくバツにされてしまうのでしょうか。。。

問題文(3)[1]
図9(右下)で北緯33°東経153°付近に予想される低気圧について、初期時刻の状況およびその後の移動⽅向、発達・衰弱を、この前線との関連を含めて45字程度で述べよ。

 
48時間予想図にある低気圧が初期時刻にどこにあったかと、48時間後までの移動と、衰勢を答える問題です。
まずは、予想図を遡って、この低気圧がどこからやってきたのか見ていきましょう。

順を追って見ていくと、12時間後までそれらしい低気圧が解析されています。しかし、初期時刻の天気図を見ると、低気圧がない!

でもよく天気図を見て下さい。赤丸で囲んだ辺りで前線が折れ曲がっています、この前線の折れ曲がりを、“キンク”といい、前線上に低気圧が発生する前触れとなる現象です。キンクの東側で暖気移流、西側で寒気移流が強まってこのように折れ曲がります。つまりこのキンクが発達して、12時間後に低気圧になったとうことです。12時間後以降の低気圧の動向を見ると、少しづつ発達しながら前線上を東に進んでいます。この状況を45字で表現します。

私の解答
初期時刻に沖縄付近にあるキンクが発達して低気圧になったものであり、前線上を東に進み、穏やかに発達する。(51字)

解答例は
初期時刻に南⻄諸島にある気圧の谷が低気圧となり、深まりながら前線上を東北東へ進む。(41字)
でした。

問題文に“前線との関連を含めて”とあるので、私は、“キンク”が重要なキーワードだと思ったのですが、解答例では“気圧の谷が”となっています。気圧の谷にキンクがあり、これが低気圧になったことは間違いないと思うのですが、どう採点されるでしょうか。それと、“東北東に進む”となっています。方角についてはもう少し細かく見たほうがいいみたいですですね。

問題文(3)[1]
この前線と問1(4)で考察した前線との、初期時刻から48 時間後にかけての位置関係の変化を、⼆つの前線の移動速度を⽐較して30字程度で述べよ。

 
これはもう、問1(4)ので考察した寒冷前線のほうが南下スピードが早いので、この前線に接近する と書く以外ありません。

私の解答は、
この前線は移動速度が遅く、考察した前線が南下して接近する。(29字)
としました。

解答例は、
北方の前線のほうが南下が速く、二つの前線の間隔が小さくなる。(30字)
でした。

“問1(4)で考察した前線”の呼称をどうするか迷ういましたが、北方の前線と書いたほうが、わかりやすくて適切でしたね。

第48回 気象予報士試験 実技 実技2問3

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