第47回 気象予報士試験 実技 <解いてみよう> 実技1問3

第47回 気象予報士試験 実技 <解いてみよう> 実技1問3

実技1問3

問題文(1)

図10、図11は地上気圧・降水量・風の24時間および36時間予想図である。これらと図9 を用いて以下の問いに答えよ。

(1)図10および図11を用いて、24時間後から36時間後にかけての、四国沖にある低気圧と千島近海の高気圧のそれぞれの盛衰、およびそれぞれの移動方向(16方位)を答えよ。なお、じょう乱が停滞する場合には、移動方向は停滞とせよ。

 
問2の慣れない仮温度の計算問題で多少神経を使いましたが、これは安心して解ける問題だと思います。地上天気図の24時間予想図と36時間予想図を見比べて、高気圧と低気圧の推移を答えれば良いのですね。

低気圧は、天気図を見比べても四国の南海上で、ほぼ[停滞]しています。勢力も低気圧を囲む1004hPaの等圧線がほぼ変化していないので、[発達も衰弱もしない]となります。私は[ほぼ変化しない]と答えました。

高気圧は僅かですが、[東北東]に進んでいます。また、36時間予想図では、1024hPaの等圧線の内側に1028hPaの等圧線が増えているので、中心気圧が高くなっています。したがって高気圧の盛衰は、[勢力が強まる]となります。私は高気圧の移動方向について[]と答えてしまいました。もっと細かく見なさいということですね。

低気圧や高気圧の盛衰について、低気圧は、「発達する」「衰弱する」と表現しますが、高気圧に対しては「勢力が強まる」「勢力が弱まる」と表現し、「高気圧が発達する」とは言わないので注意です。

問題文(2)[1]

図9、図10および図11によると、12時間後から36時間後にかけて、関東地方南部とその南から南東にかけての海上では降水が継続すると予想されている。このことについて以下の問いに答えよ。

[1]降水が継続する予想に対応した,12時間後から36時間後にかけての1008hPaの等圧線の走向とその周辺の風向の特徴について35字程度で述べよ。

 
12時間後から36時間後にかけて、等圧線の走行と風向がどのようになっているか、天気図で確認してみます。

12時間後から36時間後にかけて順を追って見ていくと、四国の南海上の低気圧がほぼ停滞していて、千島近海の高気圧も動きが遅いため、1008hPaの等圧線は、北北西-南南東の走行を持って、ほぼ同じ位置にあることがわかります。天気図に記載された風向をみると、等圧線に沿うように、南東から風が関東地方南部に流れ込み続けています。この風が、南海上から暖湿気流を運び込み、降水が継続したと予想できます。

私の解答
等圧線が北北西-南南東の走行を持ち、南よりの風が流れ込み続ける。](32字)

解答例は
南南東から北北西にのびる等圧線の走向は変わらず、南東の風が持続する。](34字)
でした。

問題文(2)[2]
36時間後に北緯29°東経140°付近に予想される低気圧は、24時間後にはどこに位置していたかを緯度・経度1°刻みで答えよ。

 
36時間予想図で問われている低気圧を探します。

この低気圧が、24時間後にどこにあったか探してみると、南南西にそれらしい低気圧があります。この低気圧の緯度経度を答えます。
北緯[27]° 東経[138]°

私は、緯度経度が1°くらいズレてしまうことが多いのですが、今回は解答例と同じでした。

問題文(2)[3]
[2]の低気圧が24 時間後から36 時間後までと同じ移動方向・速さで進んだときの、7 日9 時の予想位置を緯度・経度1°刻みで答えよ。

 
“24時間後から36時間後までと同じ移動方向・速さで進んだ場合”を答えるので、単純に、24時間後から36時間後までに進んだ距離を、36時間後の低気圧位置から、進行方向に向かって延長すれば求まります。

北緯[31]° 東経[142]°
これが答えです。

第47回 気象予報士試験 実技 実技1問4

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