第48回 気象予報士試験 実技 <解答&反省会> 実技1問2

第48回 気象予報士試験 実技 <解答&反省会> 実技1問2

実技1問2

さて、序章は終わりで、ここからが本題です。

問題文(1)
図2〜図4を⽤いて、問1 で答えた⼆つの地上低気圧の12 時間後から36 時間後までの位置と⽇時を,解答図の26 ⽇9 時の例にならって解答図に記⼊せよ。また、初期時刻に九州の南岸にある低気圧に関して、36 時間後までの12 時間ごとの中⼼気圧の変化量を、符号を付して答えよ。

(1)は予想天気図を用いて、12時間後から36時間後までの位置と日時を記述する問題です。これは比較的簡単な問題で、地上天気図の予想図を目で追っていけば解答にたどり着けます。時系列順に線で結ぶ問題もありますが、今回は指示がないので結ばなくても大丈夫です。

模範解答と私の解答を並べておきます。これは満点もらえるかな?

また、初期時刻に九州にある低気圧に関して、36時間後までの12時間ごとの中心気圧の変化量を、符号を付して答えよ。

これも、等圧線を読み間違えなければ答えられます。

初期時刻〜12時間後  [−4hPa
12時間後〜24時間後 [-16hPa
36時間後〜36時間後 [-20hPa

再び穴埋め問題が現れます。

問題文(2)
九州の南岸の低気圧及び日本海の低気圧は、いずれも12時間後から24時間後にかけて中心気圧が[1]に[2]する。九州の南岸にあった低気圧は24時間後から36時間後にかけて[3]に進み、[4]に達する。その移動の速さは24時間後までと比較して[5]になっている。

 
[1][2]天気図を見なくても文脈、及び(2)の解答から、[急速]に[低下]する。ですね。
[3]24時間後から36時間後までにどの方角に進むかと聞かれれば、[
[4]北海道の36時間後の低気圧の位置を、“海域名”で答えよという問題です。オホーツク海ではないし、太平洋でもない。困りました。私は、気象庁のHP「日本および日本の周辺を個別的に表す地名」にある[北海道の東海上]と答えたのですが、解答例は[千島近海]でした。確かに「全般気象情報などに用いるアジア・北西太平洋域の地名、海域名」で、この海域は“千島近海”となっています。“北海道の東海上”はバツですかね。。。
[5]移動の速さを24時間後までと比較してなので、[遅く]なっている。

論述問題です。

問題文(3)[1]
図2〜図5までを用いて、初期時刻に九州の南岸にある低気圧が、12時間後から36時間後にかけて盛衰する理由を、以下の項目についてそれぞれ30字、60字程度で述べよ。

[1]低気圧と500hPaのトラフとの関係

 
これは、発達する低気圧に関する典型的な問題ですね。トラフが西から接近して、低気圧と結びついて発達することを述べればいいのです。

私の解答は、
500hPaトラフが西から接近して低気圧と結びつくため。](28字)
模範解答は、
トラフが低気圧の⻄側から近づき,低気圧と結びつくため。](27字)
これは、満点かな。

問題文(3)[2]
12時間後における850hPaの風向・風速および温度移流の状況

 
これを60字で解答します。

まずは状況を確認して見ましょう。

低気圧の前面で暖気移流、後面で寒気移流がはっきりと確認でき、低気圧が発達する条件が整っています。
聞かれていることは典型的だけど、60字は長い。

私の最初の解答
低気圧の前面で南南西の風による、強い暖気移流、後面で北西の風による、強い寒気移流がある](43字)
これでは40字くらいにしかなりません。何か付け加えないと、、、
過去問で、“風向が等温線を大きな角度で横切っているため温度移流が強い”といった解答があったのを思い出しました。

私の最終的な解答
風向が低気圧の前面で等温線を暖気側から寒気側に、後面で寒気側から暖気側に大きな角度で横切っており、風速が大きく前面の暖気移流と後面の寒気移流が強い。](74字)
逆に長すぎますが、仕方ありません。

解答例は
低気圧の東側では45ノットの南南⻄の風による暖気移流、⻄側では25ノットの北⻄の風による寒気移流が予想されるため。](57字)
なんだ、風速の数値を書いて字数を稼いでいるのか。それなら“数値を含めて”と問題文で指示してくれれば、そう書くのに。実際、過去問でも問題文で数値を含めて書くように指示している問題は多くあります。指定された文字数が長いときは、“数値で”と指示がなくても、忖度して数値を含めるべきなのだろか?指示がなくて、あえて書かず、風向と等温線が交わる角度に着眼して書いた場合でも減点かな。

問題文(4)
図2〜図4を用いて、12時間後、24時間後および36時間後について、初期時刻に九州の南岸にある低気圧と強風軸との位置関係をそれぞれ20字程度で答えよ。

 
低気圧のライフサイクルにおける、強風軸と低気圧との関係。この問題も聞いているのは典型的な内容。今回は字数20字なので簡潔で大丈夫なはず。

私の解答
12時間後[低気圧は強風軸の南側にある。](14字)
24時間後[低気圧は強風軸とほぼ同じ位置にある。](18字)
36時間後[低気圧は強風軸の北側にある。](14字)

解答例
12時間後[低気圧は強風軸から南側に離れている。」(14字)
24時間後[低気圧は強風軸のすぐ南側に位置している。](18字)
36時間後[低気圧は強風軸の北側に位置している。](14字)

12時間後と36時間後は表現は違えど、内容はほぼ同じとして、24時間後は“すぐ南に位置している”か。
詳しく天気図を見てみよう。

前提として、負渦度と正渦度の境目、渦度=0線が強風軸と対応しています。緑の線で示しました。そして、×が(1)で答えた低気圧の位置。12時間後と36時間後は疑う余地もありません。24時間後は、うーん。拡大して同じ縮尺の地上天気図をか重ねてみましょう。

見にくいですが緑が強風軸で、赤が低気圧の中心で、、、て、どう見ても、低気圧の真上に強風軸が。。。
強風軸の解析が悪いのかな。

第48回 気象予報士試験 実技 実技1問3

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