北海道 絶景をめぐる1週間の旅 [第二回]

北海道 絶景をめぐる1週間の旅 [第二回]

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北海道 絶景をめぐる1週間の旅 [第一回]

3日目 オホーツクラインをひたすら北上して稚内へ

3日目

朝食付きのプランではなかったのでホテルの近くにあるケンタッキーで朝食をとり、行動開始。3日目は稚内まで移動する予定で、1日で340kmを移動します。今回の旅行行程では一日の移動距離として最長です。昨日より少し早めに出発して、まずはサンゴ草の紅葉がちょうど見頃を迎えている熊取湖に向かいます。

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入り口の道が分かりにくく、一度通りすぎてしまい引き返して到着しました。紅葉したサンゴ草は真っ赤というよりは赤茶色ですが、真青な空とのコントラストが綺麗です。サンゴというと南国の海を思い浮かべますが、サンゴ草は寒帯地域の塩水湿地に生育する希少種の植物だそうです。湖畔には絵画用の三脚を立てて写生をしている人が多くいました。


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こちらは女満別にあるメルヘンの丘。国道39号線沿いの小高い丘に7本のからまつの木が並んでいます。手前に広がっているのはじゃがいも畑。収穫が終わったのか土だけになっていました。

メルヘンの丘を後にすると次の目的地であるクッチャロ湖まで、ひたすらオホーツクラインを北上する長い道のりです。途中、道の駅オホーツクに寄りましたが、オホーツク流氷科学センターがメイン施設で、レストランはなく売店と軽食コーナーがあるだけで閑散としていました。

北海道はスピード違反の取り締まりが厳しいと聞きますが、車列の先頭ではなく2番目以降を走っていれば基本的に捕まらないので、速い車に追い抜いてもらってその後を付いて行くようにしました。ほとんど信号もないしカーブも緩いので本当に快適です。

オホーツクラインを走っていると何度も美しい景色に出会いましたが、日没までにクッチャロ湖に辿り着きたかったので、先を急ぎ写真は撮れていません。そんな中でも車を停めて撮影せずにはいられなかった風景がこちら。


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地図で調べても名前がわかりませんでしたが、クッチャロ湖手前の風力発電所群です。発電施設をシルエットに沈む夕日が印象的でした。

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道を挟んで反対側にはオホーツク海が広がっています。


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クッチャロ湖に到着したのはその後すぐ。日は沈んでしまいましたが、トワイライトのグラデーションが湖面に写り込み幻想的でした。クッチャロ湖は日本最大のコハクチョウの中継地で10月~4月になると毎年2万羽のハクチョウが飛来するそうです。

3日目の夜は少し贅沢にANAクラウンプラザホテル稚内に宿泊。シングルで予約したのに案内された部屋はツインルームでした。広々とした部屋に興奮しつつ風邪もだいぶん治ってきたので、稚内市街を少しだけ散策。夕食は食べログで見つけた「北の味心竹ちゃん」で海鮮丼を頂きました。

ホテルに帰ると稚内地方気象台が宴会をやっていましたよ。

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4日目 ドローン投入 宗谷丘陵 サロベツ原野など雄大な景色を巡る

4日目

バイキングで朝食をとり、朝の目覚めもバッチリ。ホテルのすぐ隣にある「防波堤ドーム」を見て、日本最北端の地「宗谷岬」に向かいます。

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防波堤ドームは、稚内と樺太を結ぶ定期船の桟橋だったこの場所を、海から吹き寄せる強い季節風と高波から守るため、戦前に建築されました。古代ローマの建造物を思わせる建築で、全長は427mもあります。桟橋から駅までの通路を兼用していて、ドームが屋根の役割も担っているので傘をささずに列車から船に乗り換えることができ、当時としては画期的だったでしょう。

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宗谷岬到着。日本最北端の地の碑と間宮林蔵像が立っています。写真を見てみわかる通り多くの観光客が訪れて、碑と一緒に記念撮影をしていました。天気が良かったので遠くにサハリンが見えているのですがわかりますか?碑の右側の水平線のあたりに写っています。


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宗谷岬の裏側にある、あまり知られていない絶景スポット「宗谷丘陵」にも行ってきました。青い海、青い空、絵に描いたよう雲、まっすぐ続く道。コンディションも最高で、ポストカードの風景がそのまま広がっていました。そして、風も弱かったので、飛行機に載せて家から持ってきて、まだ一度も使っていなかった空撮用ドローンPhantom3を撮影に投入!

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力強く飛び立つPhantom3


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丘の上になにか建物が立っていました。


宗谷岬【空撮】

草原と海に続く道だけの世界。

続いて向かったのはサロベツ湿原センターです。

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2011年にできた施設で、サロベツ原野の歴史や自然をパネルやビデオで紹介しています。

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建物の裏には、木道が整備されサロベツ湿原を見学できるようになっています。花が咲くシーズンではないので、ただ原野が広がっているだけでした。利尻島の利尻富士がきれに見えると思ったのですが、利尻富士にだけ雲が発生して中腹より上は隠れていました。

ここからは北海道随一の絶景ロードであるオロロンラインを南下します。

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オロロンラインに入るとすぐに圧倒時な存在感を示す風力発電所群が見えてきます。これが、天塩町の「オントルイ風力発電所」。あまりにも大きすぎてサイズ感が掴めませんが、高さはローターも含めて99m、28階~30階建てのマンションに相当する高さがあります。これが3.1kmに渡って、28機も一列に整然と並んでいるのだから圧巻の光景です。

周りに人家など他の建造物はなく、山もない原野が広がっているのでかなり遠くからでも発電所群を確認できます。


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ここでもPhantom3による空撮を実施。巨大な風力発電所群と並行して地平線の果てまでのびる道路はまるで外国のようです。


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海から眺めてみました。


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緩やかな海岸線と永遠と続く道路。利尻島は相変わらず雲の中で残念。


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交通量が少ないので道の真中に立って撮影しました。大陸横断道路みたい。この道はツーリングにも人気です。

青空のもと爽快な気分でオロロンラインをひたすら南下して、風Wとままえで休憩、望洋台に向かいます。


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望洋台から見たオロロンラインの風景。ここは夏の間キャンプ場になっています。併設されている展望塔は老朽化のため閉鎖されていましたが、登らなくても雄大な景色を楽しむことができます。

日本海に目を向けると・・・


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日本海に沈もうとする夕日に雲が重なって光芒が広がり、海面の反射が足跡のようになっていました。偶然が重なりロマンチックな風景。あえてモノクロ写真で光を表現してみました。

日が暮れる中、旭川まで移動して4日目は終了。

第三回につづく

北海道 絶景をめぐる1週間の旅 [第三回]