第47回 気象予報士試験 実技 <解いてみよう> 実技2問1
- 2017.10.05
- 天気 気象予報士
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実技2問1
実技2は、「発達する南岸低気圧と、それに伴う太平洋側の大雪」題材ですね。
問1は見慣れた、天気図の読み取り問題です。この問題で、今後問われる現象の全体像を掴みながら、うっかりミスをしないように解いていきます。
日本付近の気象概況と総観場について述べた次の文章の空欄( [1] ) 〜( [11] ) に入る適切な整数値または語句を答えよ。
図1によると、四国沖に前線を伴った([1])hPa の低気圧があり,東北東へ([2]) ノットで進んでいる。この低気圧には([3]) 警報が発表されており、中心の南西側700 海里以内と([4]) 側300 海里以内では、今後([5])時間以内に最大風速が([6])ノットに達する予想となっている。また、日本海には1016hPa の低気圧があって([7]) へ10 ノットで進んでいる。
西日本から東日本にかけて広く降水が観測されており、東京では前([8]) 時間内に止み間のない強度([9]) の雪が観測されている。
図2( 下) では前線の存在を示す等温線の([10]) が認められ、温暖前線は([11])℃の等温線に対応している。
[1]四国の南の低気圧は、天気図より[1014]hPaです。
[2]この低気圧について記載された英文情報を読取ると、ENE 25KT と書いてあります。したがって、[25]ノット。
[3]「SW」の記号は、「STORM WARNING」の略。[海上暴風]警報です。48ノット以上の風が吹いているか、吹くと予想されているときに発表されます。その他の海上警報の基準も覚えておきましょう。
[4]英文を読むと、「中心の南西側700海里以内と、その他の半径300海里以内」と書いてありますが、問題文のように、どちら側かと聞かれた場合、南西とは逆側の[北東]と答えます。
[5]「FOR NEXT 24 HORUS」とあるので、[24]時間以内です。
[6]「EXPECTED WINDS 30 TO 50KT」とあるので、予想される最大風速は[50]ノットです。
[7]日本海の低気圧を見ると、移動方向を示す白抜きの矢印が東を向いています。移動方向は[東]です。
[8][9]東京の実況を見ると、前「1」時間内に止み間のない強度[並]の雪が観測されています。
天気記号で、雨や雪などの記号は、縦に並ぶと強度が強まり、横に並ぶと止み間がないことを表すという法則になっています。
[10]“前線の存在を示す等温線の~”と問われれば、等温線の[集中帯]がパッと頭に浮かびます。実際に850hPaの天気図で確認してみましょう。
地上天気図に描かれた前線を重ねてみると、前線の北側(緑の領域)で等温線の集中帯が見られます。
[11]温暖前線の形状と最もよく対応している等温線は、[3]℃です。
図3によれば、館野( 茨城県) と松江( 島根県) の850hPa の気温はいずれも-2.2℃で同じであるが、図1では館野に近い東京は雪、松江は雨となっており、降水の形態が異なっている。このことに関連する以下の問いに答えよ。
[1]図3 において、館野の気温の鉛直プロファイルは900hPa より下層が未記入となっている。館野の900hPa より下方の観測値を解答図に黒丸(●)で記入し、それらを実線で結んで館野の気温の鉛直プロファイルを完成させよ。
単純に、右の表に書かれた数値を、図にプロットしていく問題です。時間に追われている中で、ミスなくどれだけ丁寧に描けるかが、鍵ですね。縦軸の気圧なので、上に行くほど値が小さくなっています。焦っていると、そのことを忘れて、書き込んでしまいそうになります。
私の解答と解答例を並べてみました。家で落ち着いて解けば余裕でも、試験会場でも同じように描けるかどうかが課題です。
[1]で作成した、館野の気温鉛直プロファイルと、図3の松江の気温鉛直プロファイルをみると、館野は[970]hPa、松江は[930]hPaとなっています。
降雪の基準となる850hPaの気温は、松江も東京も同じ-2.2℃なのに、松江で雨、東京で雪となった理由を、この気温鉛直プロファイルを見て答えます。
着目すべきは。[2]で答えた、気温0℃の高度ですね。気温0℃以上の高度が高いほど、雪片落下途中で融解して、地上では雨として観測されやすくなります。
私の解答
[松江より東京のほうが、気温0℃以上の高度が高い。」(24字)
松江と東京どちらを主語にするか迷いました。
解答例は、
[気温0℃以上の層が、東京では薄く松江では厚いため。](25字)
“気温0℃以上の層”かぁ。言いたいことは全く同じつもりだけど。。。もはや、表現の違いだな。何点貰えるかな?
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いつも解説を参考にさせていただいております。
問1(1)⑧⑨の表は、止み間のあるなしが逆になっておりませんでしょうか。
私のようにこれからこのページを参考にされる方もいらっしゃると思いますので、何卒ご確認いただければ幸いです。
ご指摘ありがとうございます。
確かに、文章では正しく説明しているのに画像の説明が逆になっていました。
横並び=止み間なし です。
画像は修正しておきました。
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