第47回 気象予報士試験 実技 <解いてみよう> 実技2問3
- 2017.10.05
- 天気 気象予報士
- 第47回気象予報士試験, 気象予報士実技試験, 第47回気象予報士試験実技2
実技2問3
前線は鉛直方向に厚みをもっており、転移層と呼ばれる。図9には、温暖前線の転移層の上下面と、寒冷前線の転移層の下面が表示されている。未記入となっている寒冷前線の転移層の上面を決定する根拠を述べた次の文章の空欄( [1] ) 〜( [6] ) に入る適切な数値または語句を答えよ。ただし、[1][2][5]はそれぞれ下の枠内から最も適切なものを一つ選び、[4]は3の倍数とせよ。
この事例では,寒冷前線の転移層を示す気温の逆転層が明瞭にみられることから、逆転層の上端が寒冷前線の転移層の上面に対応する。すなわち、3℃の等温線が示す逆転層の上端は( [1])hPa 付近、6℃の等温線が示す逆転層の上端は( [2] )hPa 付近であることから、寒冷前線の転移層の上面はこれらの高さでそれぞれの等温線と交差する。
寒冷前線の転移層の上面は等( [3] ) 線にほぼ沿うという性質がある。3℃、6℃の等温線が示す逆転層の上端の( [3] ) はいずれも( [4] )K であるから、寒冷前線の転移層の上面は( [4] )K の等( [3] ) 線にほぼ沿って描かれる。
この結果,寒冷前線の転移層の上面は( [5] )hPa 付近で温暖前線の転移層の上面と交わる。すなわち,この断面図では、寒冷前線の転移層と温暖前線の転移層が( [6] )hPa より下層で接触している。この状態からみて、図5( 中) の線分X-Y と交差する地上の前線は( [6] ) 前線である。
見慣れない鉛直断面図が出てきて戸惑いますが、文章に沿って何を言おうとしているのか考えながら解けば、それほど難問ではありません。
まず、前提として、低気圧を図5の地上天気図のように低気圧の鉛直断面を見ているので、X側が寒冷前線側、Y側が温暖前線側となります。
[1][2]気温の逆転層が明瞭に見られると問題文に書いてあるので逆転層を探します。すると、3℃の等温線で、900hPaから950hPaの間、6℃の等温線で、925hPaから950hPaの間で気温が逆転していることに気づきます。これが寒冷前線の上端の高度です。3℃の等温線が示す逆転層の高度は[900]hPa、6℃の等温線が示す逆転層の高度は[925]hPaとなります。
[3][4]寒冷前線の転移層は、等[温位]線にほぼ沿う。というのが答えですが、これを知らなくても、鉛直断面図を見ると、3℃、6℃の等温線が示す逆転層の高度はいずれも、[284]kの等温位線に沿っていることから、等温位線に沿っていると答えることができます。
[5]寒冷前線の転移層は284kに沿っていると答えたので、284kの等温位線に沿って線を引くと、[950]hPa付近で温暖前線の転移層の上面と交わります。
[6]寒冷前線と温暖前線の転移層が地上に達する前に、上空で交差しているということは、地上の前線は[閉塞]前線であるというこがわかります。実は、問2の(2)[3]の問題文に「低気圧は、31 日9 時にはすでに閉塞を開始していると予想される。」と書いてあり、ヒントを与えてくれています。
解答としては、(1)で答えた通りに、284kの等温位線に沿って線を引くだけですね。
一応、私の解答と解答例を並べておきます。
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