第48回 気象予報士試験 実技 <解答&反省会> 実技1問4

第48回 気象予報士試験 実技 <解答&反省会> 実技1問4

実技1問4

問題文(1)
酒田の最下層及び上空の風向風速に注目し、寒冷前線が通過した日時を答え、その理由を60字程度で述べよ。

 
風向・風速の時系列図から、寒冷前線が酒田を通過した時刻を求める問題です。

寒冷前線が通過すると風向が南よりから北より、もしくは、西に変化するのは常です。
時系列図を眺めると、[27日2時]に、風向が南西から西南西に大きく変化しているので、寒冷前線通過はここで間違いないでしょう。

続いて、その理由を60字で述べます。60字とは長いですが、問題文に“上空の風向風速に着目し”と書いてあります。なるほど、ピンときました。寒冷前線が通過するということは寒気移流になるはず。寒気移流であれば、風向は上層に向かって反時計回りに変化するはずです。実際に図で確認してみると、確かに、下層で西南西の風が上層で南西の風に変化しているので反時計回りです。

私はこのように書きました。
酒田の最下層の風向が南西から西に変化しており、風向が下層から上層に向かって反時計回りに変化して、寒気移流となっている。(59字)

風向が”西に”と書いていますが、私は27日2時の最下層の風向を“西”と読み取りました。確かに、北の成分は入っているけど、僅かなので西と答えたのですが、これは“西北西”だったようです。

解答例は、
最下層の風向が南⻄から⻄北⻄に変化し、風速が30ノットと強くなり、上層に向かって反時計回りの風向変化となったため。(57字)

私の解答は風速が強くなったという文言も抜けていますね。ただ、“30ノット強くなり”とは、どこのことを言っているのでしょうか。最下層の風速は通過後も通過直前も30ノットです。それよりも前の21時頃の風速と比較しているようですね。確かに前線通過前後は風速が大きくなるけど、これは重要なキーワードになると思わなかった。まあ、問題文に“風向風速に着目し”と書いてあるけどね。それと、解答例には“寒気移流”というキーワードがありません。“風向が上層に向かって反時計回り”という文言から、寒気移流は承知の上ということなのでしょうか。

問題文(2)
高田では複数のシアーラインが通過した。最下層の風に着目して、シアーラインが最初に通過した日時を答え、その理由を15字程度で述べよ。

 
シアーラインとは風向や風速が急に変化しているところを指すので、時系列図で最初に風向・風速が大きく変化している日時を答えれば良いのですね。

26日18時]に明らかに風向が大きく変化しています。

理由は15字なので簡潔に、
風向が南から西に急変している。(15字)
と書きました。
解答例は、
風向が南から⻄に変わったため。(15字)
これは大丈夫でしょう。

問題文(3)
寒冷前線が高田を通過した日時を答えよ。

 
(1)と同じように、上層に向かって風向が反時計回りに変化するようになる時刻を探すと、[27日1時]になります。

第48回 気象予報士試験 実技 実技1問5

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