私が気象予報士合格に向けてやったことー参考書や勉強法などー

私が気象予報士合格に向けてやったことー参考書や勉強法などー

第48回気象予報士試験で合格!!

Twitterでも報告しましたが、2017年8月27日に実施された気象予報士試験に合格しました。このブログでは、自己採点の結果、うっかりミスが多く、合格は厳しいと思うと 書いていましたが、実技の合格基準が63%と、比較的低かったことに救われたのか、ギリギリの合格だったと思います。

まだ、気象庁から正式な気象予報士の登録証明書が届いていないので、合格の実感が湧きませんが、この記事では、私が気象予報士合格に向けてやったことを紹介しようと思います。有名なU-CANとハレックスの通信講座についても書いています。気象予報士の合格体験談や勉強法については既に、インターネット上に数多く存在し、勉強法にも人それぞれあると思います。記事の内容は、あくまで勉強法の一例と捉えて、是非ご自身に合う方法を見つけて合格を勝ち取っていただければと思います。

受験歴

まずは、受験歴について。私は今回3回目の受験で合格でした。

2016年8月
1回目 46回気象予報士試験
学科一般 不合格
学科専門 不合格
実技 採点無し

2017年1月
2回目 47回気象予報士試験
学科一般 合格
学科専門 合格
実技 不合格

2017年8月
3回目 48回気象予報士試験
学科一般 免除
学科専門 免除
実技 合格

学科試験合格に向けてやったこと

私は、小学校の頃から気象に興味があり、将来は気象予報士になって天気に関わる仕事に就きたいと思っていました。しかし、試験に向けて本格的に勉強をはじめたのは大学2年生の秋からです。今年の試験で、北海道に住む小6の女の子が最年少で合格したと聞き驚くばかりです。

・U-CANの気象予報士講座を受講

もともと気象が好きだったので、気象関連の書籍は多く持っていましたが、気象予報士試験の出題内容を網羅的に学びたいと思い、通信講座で有名なU-CANの気象予報士講座を受講しました。講座を申し込むと、テキストと過去問3年分、添削課題が一式入ったダンボール箱が届きます。

テキストは写真のように4冊あるのですが、テキスト1とテキスト2が学科試験に対応しています。テキストの進め方としては、初めのうちはわからない箇所があっても立ち止まらず、付箋を貼って後で読み返せるようにして、次に進むことがポイントです。

ポイントをまとめたノート。イラストも添えて楽しく学習。

テキストを進めながら添削課題を提出していきます。添削課題は全9回で、そのうち、第5回までが学科試験に対応したものになっていました。本番と同じようにマークシート形式です。提出すると、コメント付きで添削されて返送されてきます。モチベーションアップに繋ががりますね!

・怒涛の過去問研究

U-CANの添削課題で合格点を取れたら、いざ試験本番?そんなに気象予報士試験は甘くありません。私は、第5回までの添削課題を2016年1月までに提出して終えて、採点結果はほとんど合格ラインを超えていましたが、学科試験に合格したのは翌年、2017年1月の試験です。おそらくU-CANの添削課題は、本番並の難易度で作ると、「難しすぎる」とクレームが出るので、少し易しめに作られているのだと思います。私は、基礎を一通り学習したら怒涛の過去問研究をはじめました。まず、U-CANに付属の問題数では、演習量が全く足りません。

私はこの写真にある市販の過去問題集3冊を4回~5回、よく間違える問題は6回目も解きました。資格試験には全てに言えることだとは思いますが、やはり、合格するには過去問を徹底的に解く以外道はありません。この過去問集の中でお勧めするのは、右端の「ひとりで学べる!気象予報士学科試験 完全攻略問題集(ナツメ社)」です。問題ごとに難易度が3段階で評価されているので、最も難しい問題は後回しにして、難易度2以下の問題を絶対に落とさないようにするといった対策もできます。

・最新の過去問題は解かずに取っておく

U-CANの講座を受講すると、最新3年分の過去問題集が届きます。気象業務支援センターのHPからも最新の過去問題をDLできます。ただし、直近、3回分(1.5年分)くらいの過去問には手を付けずに置いておくことをお勧めします。というのも、上記で紹介した過去問題集を何度も何度も解きまくっていると、そのうち、答えそのものを暗記して、ページを開いた瞬間、問題文を読まなくても答えが解ってしまう状態になります。この状態は、実力で問いているとは言えません。過去問題集は発売年度によりますが、よほど最新のものでない限り、直近の過去問は掲載されていないので、最後の腕試しとして、まだ一度も問いていない直近の過去問に取り組むのです。

・スマホアプリU-CANの一問一答が超便利

このブログでも、スマホで気象予報士 U-CANの一問一答集アプリが使えるで記事にしましたが、これは必須のアプリです。電車やバスに乗っている時間、バイトの休憩時間など、ちょっとした空き時間にポチポチこのアプリをやっていました。間違えた問題だけ選んで問いたり、ランダムに10問出題して腕試しできる機能もあります。630問ありますが、全て解けるようになるまでやりましょう。

スマホで気象予報士 U-CANの一問一答集アプリが使える

・U-CANのテキストだけでは足りない。お勧め参考書

U-CANのテキストは要点がコンパクトに纏まっていて、読みやすいのですが、これだけだと、説明不足な箇所もあります。過去問を問いて問題集に書いてある説明だけでは理解できないときに使っていた参考書を紹介します。


中島俊夫氏の「よくわかる気象学シリーズ(ナツメ社)」
各章の冒頭に漫画があり、本登場のるキャラクター「博士」と「学ぶくん」と一緒に勉強していきます。数式は高校数学レベルから。難しい表現を取り除き、かなり噛み砕いて、解説してあります。イラストが多彩で、頭の中で現象をイメージしながら理解することができます。私はこの本に何度救われたことでしょうか。U-CANなどの通信講座を受講する前にも読むのもお勧めです。

これなら挫折しない!気象予報士試験 最初に読むべき参考書


気象予報士試験受験支援会の「らくらく突破気象予報士シリーズ(技術評論社)」
この本も、気象予報士試験対策本としては、易しい言葉で解説してあります。専門知識編は622ページと、かなりのボリュームですが、U-CANのテキストで足りない箇所を十分補える構成になっています。間違えた問題について、この本を活用して、理解を深めていけば、ぐんと合格が近づくと思います。

小倉氏の「一般気象学」は…
昔から、気象予報士試験のバイブルとして有名な本があります。それが、小倉義光氏の「一般気象学(東京大学出版会)」です。内容としては、素晴らしいものだと思うのですが、小倉氏が気象研究の第一人者として書いていらっちゃることもあってか、学術的に正しい言い回しをしているため、一般の学習者にとっては、とっつきにくい印象を受けました。掲載されてる図も、高校で物理をしっかり勉強していないと、理解しづらいかなと思います。この本を何度も読んで合格したという知り合いもいますが、私はあまり使いませんでした。大学の授業ではお世話になっています。

実技試験合格に向けてやったこと

私は、2015年の秋から本格的に勉強を初めて、初受験は2016年8月の試験でした。この試験は全て不合格だったのですが、翌年に控えていた就職活動に向けて、なんとしても学科試験は合格、あわよくば、一発合格も狙って、実技の勉強も並行して始めることにしました。

・ハレックスの気象予報士講座(実技)を受講

U-CANの講座は受講期限約1年なので、既に期限が切れていたこともあったのですが、そうでなくてもU-CANの講座の添削課題だけでは、とてもじゃありませんが量が少なすぎます。

参考に、写真は第8回目添削課題の解答用紙ですが、記述問題はたったこれだけです。独学の場合、学科試験は選択式なので自己採点が容易ですが、実技試験は、学習し始めの頃は答えを見ても、どう採点すればいいかすらわかりません。そこで、定評のある、ハレックスの気象予報士講座を受講しました。学科と実技を両方学べる「総合講座」と実技のみを学ぶ「実技講座」がありますが、私が受講したのは「実技講座」です。学科試験は過去問を継続して取り組めば十分と考えました。

またしても、大量の教材が自宅に届きました。


本ではなく、「第1章 実技試験の科目と勉強の仕方」という冊子と、「第2章 実技の基礎」「第3章 実技の事例による解説」というファイル2冊という構成になっています。「第2章 実技の基礎」は、学科試験専門の内容+αといった内容でした。「第3章 実技の事例による解説」はより実践的で、「温帯低気圧の発達」や「梅雨前線」のように、テーマに分けて解説してありました。

U-CANの実技試験に対応したテキスト3とテキスト4も読みましたが、テキスト3は各種天気図の読み方について、テキスト4は、ハレックスの第3章と同じように、「日本海低気圧」や「寒冷渦」のように、テーマに分けて解説してあります。ともあれ、実技試験なので、実際に問題を問いてなんぼだと思います。

演習を積むにあたって、ハレックスの添削課題は充実していました。本番の実技試験75分の1回分と同じくらいのボリュームの添削課題が10回ありました。もちろん全て記述式。U-CANの添削課題とは雲泥の差です。


写真のように、本番試験さながらの形式で、添削もしっかりしてもらえ、解説もボリュームがありました。添削課題一つ一つは、テキストと対応して、テーマが決まっており、何が出題されるかわからない本番との違いはあります。まずは、この添削課題で天気図の読み取りや論述における独自の言い回しに慣れていきます。

・怒涛の過去問研究(2回目)

ハレックスの添削課題を全て提出し終わったのが、2017年の1月でした。そして、その1月の試験で、学科一般と専門に両方合格しました。ここから、怒涛の実技過去問研究が始まります。といっても、ハレックスの実技講座には過去問題がついておらず、手元にあるのは、U-CANに付属していた3年分の過去問のみです。書店にも、学科試験の問題集は多く並んでいますが、実技試験の問題集は数が少ないです。困りました。。。

・北上大氏のサイトに出会う

どうしようかと、手をこまねいているときに出会ったのが、北上大氏が運営する「気象予報士応援団」というサイトです。このサイトでは、過去10年分以上の気象予報士試験の問題を公開していて、気象予報士である北上大氏が解説しています。神のようなサイトです。解説といっても、以前は北上大氏ご自身が、気象予報士試験の受験生でもあり、気象予報士試験を受験をしながら、サイトを更新されていたので、北上大氏と一緒に問題を問いて、一緒に間違えて、一緒に学んでいく そんなスタイルになっています。私は、平成23年以降の過去問を全ていただき、このサイトに毎日のようにアクセスして励まされながら、繰り返し解きました。なお、このブログでも、第47回気象予報士試験第48回気象予報士試験の実技試験について、記事にしています。


過去問を解くに当たってのポイントは、問題用紙と解答用紙を本番と同じように紙に印刷して解くということです。問題集のように製本されていると、他のページにある高層天気図を並べて比較することができませんが、紙に印刷することで、より本番に近い形で解くことができます。過去3年分の問題については、U-CANの問題集を持っていましたが、あえて紙に印刷して解きました。凄まじい勢いでプリンターのブラックインクがなくなって、何度も買いに走りましたが、それも必要な投資だと思います。過去5年分を3回~4回解くと、なんとなく、出題者が答えさせたい内容が見えてきます。また、実技試験はとにかく時間に追われながら解くことになりますが、過去問を尻に火がついたように問いていると、スピードも徐々についてきます。そしてうっかりミスも少なくなると思います。私は、最後までうっかりミス連発でしたけど。それでも受かった。奇跡。

ブラウザを閉じて過去問を解こう

これに尽きます。
問いたら、下記の記事も参考に答え合わせをしてみてください。

第48回気象予報士試験 タグが付けられた記事一覧を表示しています。 | ウェザーライフのブログ
第47回気象予報士試験 タグが付けられた記事一覧を表示しています。 | ウェザーライフのブログ
北上大氏のサイトも是非参考に。




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