第48回 気象予報士試験 実技 <解答&反省会> 実技1問3
- 2017.10.05
- 天気 気象予報士
- 気象予報士実技試験, 第48回気象予報士試験, 第48回気象予報士試験実技1
実技1 問3
文章が少し読みづらいですが、「地上低気圧の中心に×を描いて、地上の前線を引け」という問題です。
前線を解析する時刻は初期時刻から6時間後の26日15時ですが、同時刻の予想図はこの相当温位図しかありません。その他の前線解析に役立ちそうな、天気図は、初期時刻の地上天気図や、12時間予想図の850hPa気温・風、700hPa鉛直流予想図を用いるしかありません。初期時刻の前線の形を参考にしながら、相当温位図の風向シアに着目して前線を描きます。
私の解答と解答例を並べてみました。
温暖前線が少しずれている。
細かくみていきましょう。
寒冷前線は北東風と、南西風の風向シアが明瞭なので解析は簡単ですが、問題は温暖前線です。私は緑の丸の部分がシアだと思って描いたのですが、実際はもう少し下の方だったようです。確かに言われてみると、相当温位線の分布との対応をみてもそのほうがしっくりきます。何点もらえるかな。。。
(2)ややこしい問題が出てきました。衛星画像の領域Aと、領域Bに関する問題です。
まずは問題文を整理しながら見ていきましょう。
[1]26⽇15時の解析によると、300hPa⾯のRS間の平均⾼度は9240mで平均気温は−40℃、PQ間の平均⾼度は9600mで平均気温は−33℃である。平均⾼度9240mにおけるPQ 間の平均気温を四捨五⼊により整数値で答えよ。ただし、気温減率は0.6℃/100m とする。
<問題文を整理>
- RS間の300hPa平均高度;9240m 平均気温;−40℃
- PQ間の300hPa平均高度;9600m 平均気温;−33℃
平均高度9420mにおけるPQ間の平均気温を四捨五入により整数で答えよ。ただし、気温減率は0.6℃/100mとする。
なるほど、これは単純に2地点の高度差を求めて、気温減率を掛ければ求まりますね。
9600m−9240m=360m
360m/100m×0.6℃=2.16℃
整数で答えるので気温差は2℃
高度9240mの平均気温が−33℃なので、高度9240mの気温は、−33℃+2℃で、[−31℃]です。
赤外線画像を見比べると明らかに雲域Bのほうが明るく写っています。
RS間の高度9240mの温度が−40℃に対して、雲頂高度を示す輝度温度は、−40℃よりも低い。つまり、RS間の平均雲頂高度は9240mよりも高い。一方、PQ間は高度9240mの温度が−33℃に対して、輝度温度は最大でも−30℃くらい。つまり、平均雲頂高度は9240mより低いことになります。
したがって、雲頂高度が高い範囲は[PS]間です。
私は、“PQまたはPSの記号で答え”と書いてあるのに、間違って、雲域Bの“B”という文字を書いた気がする。本当にこういうミスは無くさないといけない。勿体無い。
気象衛星画像の赤外画像でも可視画像でも明るく、高度9240m以上に発達する雲の種類は[積乱雲]しかありません。前線との位置関係は、(1)の前線解析結果から[温暖前線付近]ですね。
さて、[2]で説明した内容をそのまま書けばよいのですが、試験時によくわからず後回しにして、時間がない中うまくまとめれず、かなり無理な解答を書いていましいました。
それがこちら。
領域Bのほうが輝度温度が低く、300hPaの高度を考えても雲域Bのほうが雲頂が高い。(42字)
“領域Bのほうが輝度温度が低くい”という事しか言えていません。
解答例は
平均の輝度温度はRS間では高度9240mの気温とほぼ同じだが、PQ 間ではこれよりも明らかに高いため。(50字)
なんかパッとしない文章だな。
この文章はつまり、PR間の雲頂は高度9240mまで発達しているが、PQ間ではこれよりも低いと言っています。
これで良かったのか。
[1]領域Cにおける湿数の鉛直分布の特徴を25字程度で述べよ。
領域Cは東経126°上の北緯29°〜28°くらいに位置しているので、その辺りの鉛直分布を読み取ると、600hPa以下で指数が3℃以下と湿っている。
私の解答は、
600hPaより下層で湿数が小さく、上層で大きい。(25字)
解答例
600hPa付近より低い層で湿潤となっている。(23字)
湿数が小さいではなく、湿潤と書いたほうが良かったのか。
[ア:上層雲 イ:中層雲 ウ:下層雲 エ:中層雲・下層雲 オ:上層雲・中層雲・下層雲]
領域Cは、600hPaより下層で湿潤、上層で乾燥しているので[ウ]の中層雲・上層雲。
領域Dは、北緯32°ぐらいなので、湿数鉛直断面図の左端に着目するとして、、、400hPa〜300hPaが湿潤なので上層雲は間違いない。中層も湿っているけど、中層雲も含めるかどうか。私は悩んで[ア]を選択したが、解答例は[オ]でした。中層雲はわかるけど、下層雲は、950hPa〜1000hPaの湿潤層をが対応しているのかな。
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