第48回 気象予報士試験 実技 <解答&反省会> 実技1問3

第48回 気象予報士試験 実技 <解答&反省会> 実技1問3

実技1 問3

問題文(1)
図1、図2および図6の地上風向、850hPa相当温位に着目して、初期時刻に九州の南岸にある低気圧の。26日15時におけ地上の中心位置を×を用いて、また地上前線を記号を用いて、解答図に記入せよ。

 
文章が少し読みづらいですが、「地上低気圧の中心に×を描いて、地上の前線を引け」という問題です。

前線を解析する時刻は初期時刻から6時間後の26日15時ですが、同時刻の予想図はこの相当温位図しかありません。その他の前線解析に役立ちそうな、天気図は、初期時刻の地上天気図や、12時間予想図の850hPa気温・風、700hPa鉛直流予想図を用いるしかありません。初期時刻の前線の形を参考にしながら、相当温位図の風向シアに着目して前線を描きます。

私の解答と解答例を並べてみました。

温暖前線が少しずれている。
細かくみていきましょう。

寒冷前線は北東風と、南西風の風向シアが明瞭なので解析は簡単ですが、問題は温暖前線です。私は緑の丸の部分がシアだと思って描いたのですが、実際はもう少し下の方だったようです。確かに言われてみると、相当温位線の分布との対応をみてもそのほうがしっくりきます。何点もらえるかな。。。

(2)ややこしい問題が出てきました。衛星画像の領域Aと、領域Bに関する問題です。

まずは問題文を整理しながら見ていきましょう。

問題文(2)[1]
図7の領域AのPQ間と領域BのRS間の雲について以下の問いに答えよ。

[1]26⽇15時の解析によると、300hPa⾯のRS間の平均⾼度は9240mで平均気温は−40℃、PQ間の平均⾼度は9600mで平均気温は−33℃である。平均⾼度9240mにおけるPQ 間の平均気温を四捨五⼊により整数値で答えよ。ただし、気温減率は0.6℃/100m とする。

<問題文を整理>

  • RS間の300hPa平均高度;9240m 平均気温;−40℃
  • PQ間の300hPa平均高度;9600m 平均気温;−33℃

平均高度9420mにおけるPQ間の平均気温を四捨五入により整数で答えよ。ただし、気温減率は0.6℃/100mとする。

 
なるほど、これは単純に2地点の高度差を求めて、気温減率を掛ければ求まりますね。

9600m−9240m=360m
360m/100m×0.6℃=2.16℃
整数で答えるので気温差は2℃

高度9240mの平均気温が−33℃なので、高度9240mの気温は、−33℃+2℃で、[−31℃]です。

問題文[2]
PQ間とRQ間を比べて、平均の雲頂高度が高いほうの範囲をPQまたはPSの記号で答え、高いほうの範囲内の主な雲の種類を十種雲形で答えよ。また、その範囲の前線との位置関係を簡潔に答えよ。

 

赤外線画像を見比べると明らかに雲域Bのほうが明るく写っています。

RS間の高度9240mの温度が−40℃に対して、雲頂高度を示す輝度温度は、−40℃よりも低い。つまり、RS間の平均雲頂高度は9240mよりも高い。一方、PQ間は高度9240mの温度が−33℃に対して、輝度温度は最大でも−30℃くらい。つまり、平均雲頂高度は9240mより低いことになります。

したがって、雲頂高度が高い範囲は[PS]間です。

私は、“PQまたはPSの記号で答え”と書いてあるのに、間違って、雲域Bの“B”という文字を書いた気がする。本当にこういうミスは無くさないといけない。勿体無い。

気象衛星画像の赤外画像でも可視画像でも明るく、高度9240m以上に発達する雲の種類は[積乱雲]しかありません。前線との位置関係は、(1)の前線解析結果から[温暖前線付近]ですね。

問題文[3]
[1]および図8(輝度温度図)を用いて,雲頂高度について[2]のように答えた理由を、50字程度で述べよ。

 
さて、[2]で説明した内容をそのまま書けばよいのですが、試験時によくわからず後回しにして、時間がない中うまくまとめれず、かなり無理な解答を書いていましいました。

それがこちら。
領域Bのほうが輝度温度が低く、300hPaの高度を考えても雲域Bのほうが雲頂が高い。(42字)
“領域Bのほうが輝度温度が低くい”という事しか言えていません。

解答例は
平均の輝度温度はRS間では高度9240mの気温とほぼ同じだが、PQ 間ではこれよりも明らかに高いため。(50字)
なんかパッとしない文章だな。
この文章はつまり、PR間の雲頂は高度9240mまで発達しているが、PQ間ではこれよりも低いと言っています。
これで良かったのか。

問題文(3)[1]
図9を⽤いて、図7の領域Cと領域Dの雲に関連する以下の問いに答えよ。

[1]領域Cにおける湿数の鉛直分布の特徴を25字程度で述べよ。

 
領域Cは東経126°上の北緯29°〜28°くらいに位置しているので、その辺りの鉛直分布を読み取ると、600hPa以下で指数が3℃以下と湿っている。

私の解答は、
600hPaより下層で湿数が小さく、上層で大きい。(25字)
解答例
600hPa付近より低い層で湿潤となっている。(23字)
湿数が小さいではなく、湿潤と書いたほうが良かったのか。

問題文(3)[2]
C,D 各領域の雲またはその組み合わせとして考えられる最も適切なものを、下の枠内から一つずつ選び記号で答えよ。
[ア:上層雲 イ:中層雲 ウ:下層雲 エ:中層雲・下層雲 オ:上層雲・中層雲・下層雲]

 
領域Cは、600hPaより下層で湿潤、上層で乾燥しているので[]の中層雲・上層雲。

領域Dは、北緯32°ぐらいなので、湿数鉛直断面図の左端に着目するとして、、、400hPa〜300hPaが湿潤なので上層雲は間違いない。中層も湿っているけど、中層雲も含めるかどうか。私は悩んで[ア]を選択したが、解答例は[]でした。中層雲はわかるけど、下層雲は、950hPa〜1000hPaの湿潤層をが対応しているのかな。

第48回 気象予報士試験 実技 実技1問4

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